家計を見直した結果、NHK受信料の支払いをやめるという決断に至りました。
そもそも3年ほど前にテレビを手放してから、NHKの番組はまったく見ていません。それなのになぜ払い続けていたのかというと、理由はただひとつ。集金人が自宅に来るのが面倒だった、それだけです。
「見てないし、払う理由もない」と頭では分かっていても、玄関先のやりとりを想像すると、つい「まあ年間1万円ちょっとだし…」と先送りにしてきました。
でも、あるとき家計を眺めていて気づいたのです。払わなくていいものに払い続けるのは、ただの思考停止だ、と。
DATA
NHKの受信契約総数は、2019年度末の約4,212万件から、2024年度末には約4,067万件へと減少。5年間で約145万件の契約減少、受信料収入は6年連続の減収となっている。テレビを持たない世帯、NHKを払わない世帯が、静かに、でも確実に増えつつある。
(出典: NHK「2024年度決算」発表資料)
テレビを持たない世帯は、静かに増えている
「NHKを解約する」と言うと、いまだに少数派の決断のように感じるかもしれません。でも実際は、テレビを持たない、あるいはNHKを払わない世帯は、じわじわと増え続けています。
総務省の「令和6年通信利用動向調査」では、世帯のテレビ保有割合は減少が続き、スマートフォンの保有割合(90.5%)とほぼ並んだと発表されました。
内閣府の消費動向調査(2025年3月)では、カラーテレビの総世帯普及率は90.3%。さらに29歳以下の世帯主がいる世帯では69.0%まで下がっています。若い世代では、すでに10世帯に3世帯がテレビを持っていない計算です。
昔は「テレビは各家庭に1台あって当たり前」だったが、その前提自体が崩れつつある。ならば、見ていないサービスへの支払いを続ける理由も、自然と薄れていく。
そもそもNHK受信料はいくらなのか
解約を決める前に、自分がいくら払っていたのかを改めて確認しました。2023年10月に値下げされたあとの現行料金は、次のとおりです(沖縄県以外)。
| 支払い方法 | 地上契約 | 衛星契約 |
|---|---|---|
| 2か月払い | 2,200円 | 3,900円 |
| 6か月前払い | 6,309円 | 11,130円 |
| 12か月前払い | 12,276円 | 21,765円 |
私は地上契約・12か月前払いだったので、年間12,276円を払っていた計算です。月あたりにすると約1,023円。数字だけ見れば「まあ、これくらいなら」と思える金額です。
だけどこれが、一度も番組を見ていないサービスへの支払いだとしたら、話は変わります。
NHKふれあいセンターに電話する、その一歩が重い
解約は「NHKふれあいセンター(0120-222-000)」に電話するだけ、と分かってはいました。でも、「しつこく引き止められたらどうしよう」「テレビを手放したことを疑われたら?」と、電話をかけるまでにだいぶ緊張しました。
結論から言うと、問題なくスムーズに進みました。以下、実際のやりとりの流れです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 電話 | ふれあいセンターに電話し、「テレビを持っていないので解約したい」と伝える |
| ② 確認 | テレビをどうしたか聞かれる。「3年前に知人に譲渡した」と回答。続けて「その知人はどの都道府県?」と聞かれ、回答 |
| ③ 書類到着 | 電話から約10日後、「放送受信契約解約届」が自宅に届く |
| ④ 記入・返送 | 必要事項を記入して返送 |
| ⑤ 返金 | 投函から約10日後、年払い分の残額が返金される |
電話の時間は10分あるかないか。想像していたような詰め方はなく、必要事項を確認されて無事に進みました。
電話する前に準備しておいたこと
・お客様番号(振込用紙や過去の領収書に記載)
・テレビをいつ、どうしたか(処分・譲渡の時期)
・譲渡の場合、譲渡先が住む都道府県名
・返金があるため、振込先口座情報
年間12,276円を、ただ「小さい」と呼ぶかどうか
年間12,276円。単体で見れば、大きな金額ではありません。外食を数回我慢するくらいでも捻出できる額です。
でも、この「単体で見れば小さい」ものを、ひとつひとつないがしろにしていくと、気づけば月々の固定費が数万円単位で膨らんでいる。これが家計が痩せない典型的なパターンだと思うのです。
ちなみに12,276円を30年間払い続けると、368,280円。年率4%で運用していたら約72万円になる金額です。「されど1万円」と、私は捉えています。
BOOK
明治から昭和にかけて活躍した林学者・本多静六は、著書『私の財産告白』のなかで、収入の四分の一を必ず天引きで貯蓄するという自身の方法を紹介している。派手な投資術ではなく、「必ずやる」「例外を作らない」という姿勢そのものが、やがて巨富につながったという話だ。
支出も同じで、一つひとつの「払うべきか」を丁寧に判断する習慣こそが、長い目で見て家計を根本から変えていく。
参考: 本多静六『私の財産告白』実業之日本社文庫
支払わなくてよいものは、支払わなくてOK
当たり前のことですが、サービスを受けていないものに、お金を払う必要はありません。
NHKに限らず、解約し忘れたサブスク、なんとなく続けている保険、使っていないジムの会員権。「もったいないから」「面倒だから」「来月やろう」と先送りにしているもの、家計の中にいくつありますか。
ひとつあたりの金額は小さくても、それらが重なって、毎月の手取りを確実に削っているのが固定費の怖いところです。
今回のNHK解約は、金額としては年間1万2千円ほど。でも「払わなくていいものは払わない」という意思決定を、自分の暮らしの中で実際に下せたこと。これが一番大きな収穫でした。
集金人対応への怖さで先送りしてきた3年分を取り戻すつもりで、あのとき電話してよかったと、今は思っています。
まとめ
| 解約の入口は | NHKふれあいセンター(0120-222-000)に電話するだけ |
| 聞かれる内容は | テレビの処分状況と、譲渡先の都道府県程度。詰められない |
| かかる期間は | 電話→書類到着→返送→返金で合計約1か月 |
| 年払いなら | 未利用分はしっかり返金される(私の場合は約10日後) |
| 本当に大事なのは | 金額の大小より「払わないと決める」判断の積み重ね |
見直す習慣そのものが、長期的には一番のリターンを生む。
自分の暮らしに合っていないものを外していく。これ以上でも以下でもない、シンプルな作業です。
参考・出典:
NHK「受信料の窓口」公表値
NHK「2024年度決算」発表資料
総務省「令和6年通信利用動向調査」
内閣府「消費動向調査(2025年3月)」
本多静六『私の財産告白』実業之日本社文庫

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